侮ってはいけない天候とこれまでの災害事例

侮ってはいけない天候とこれまでの災害事例

天候による災害は、時として私たちに牙を剥きます。そしてその被害は甚大となるケースも多いですので、絶対に侮ってはいけません。天候はどのような災害をもたらすのか、それを知る上ではこれまでの災害事例が役に立つでしょう。参考になるような、過去に起こった災害の、代表的な事例をピックアップしました。

被害が広範囲に渡った事例

平成26年8月豪雨

四国を中心として、周辺の中国、近畿地方はもちろん、九州や北陸まで被害の範囲が広がったのが平成26年8月豪雨です。その被害の大きさから、気象庁により、上記の名称がつけられています。

この豪雨は、その年に発生した台風11号、12号、そして停滞した前線の三つの原因が関係しています。これらの大雨が重なり、長期的に広範囲で起こることによって、被害が拡大したとされています。

特に8月16日の豪雨においては、広島で大規模な土砂災害を起こすきっかけとなりました。

また、大雨による交通網の被害なども多くありました。近畿や九州では交通道路・一般道が通行止めになり、鉄道についても多くが運休となっています。特に被害の大きかったJR福知山線では、一部区間が冠水により、8月17日から9月2日という長期間の運休を強いられることになっています。

平成18年豪雪

記録的な豪雪であり、気象庁がその被害の大きさから平成18年度豪雪と命名したのがこの事例です。通称として、〇六豪雪や十八豪雪とも呼ばれています。

普通、冬になって多くの積雪があるのは太平洋側の山陰地域や関東から北側の地域です。しかし、この平成18年豪雪においては、中国、四国、九州などにおいても大雪に見舞われました

豪雪の被害は、家屋の一部損壊が4667件とかなり多いのが特徴です。それも近畿・中国地方での被害も多く出た傾向があります。また、インフラへの被害も甚大でした。その件数としては、全国での停電被害が最大で137万7400件、断水被害が最大で6万1091件です。

また、豪雪は農作物や家畜への影響も大きく、第一次産業に大きなダメージも与えました。その額は約99億3400万円と、多額の被害になりました。

雪と言えども、それが豪雪となれば日本の広範囲に影響を与えることがわかる事例です。

人的被害の大きかった例

伊勢湾台風

天候が関係している災害の中で、日本広域に影響をもたらした事例の代表が、この伊勢湾台風です。

伊勢湾台風は、三重県と愛知県の伊勢湾側の地域を中心に、全国規模で被害をもたらしたことから、その名称がつけられています。

伊勢湾台風の概要として、発生したのが昭和34年であり、最低気圧が潮岬で929.2mb、最大風速が伊良湖で45.4m/sという数値を記録しています。

この台風による人的被害は、死者4697人、行方不明者401人と大多数の犠牲者を出しました。また、GDPの被害額は、あの大災害であった東日本大震災にも匹敵するくらいのものです。

このような被害の大きさから、伊勢湾台風は明治以降、一番大きな被害をもたらした台風であるとされています。

なお、災害時の対策に関して基準的な法律となっている「災害対策基本法」は、この伊勢湾台風の被害を受けたことにより作られることになりました。このエピソードも、伊勢湾台風の人的被害がどれだけ大きかったかを証明している部分でもあります。

台風のメカニズムについて詳しく知りたい方へ:日本に多い台風。その発生メカニズムとは

南紀豪雨

台風に次ぐ、人的な被害の多かった天候の災害として、南紀豪雨が挙げられます。

南紀豪雨は昭和28年に、和歌山県を中心とした地域で起こりました。集中的な大雨と、それに伴う川の氾濫によって大きな人的被害をもたらしたのです。また、一部地域では土砂災害も引き起こすなど、単なる大雨だけではなく、二次的な災害を引き起こしたのも被害が大きくなった要因です。

その人的被害の件数としては、死者713名、行方不明者411名と合計で1000人を超えます。さらに、負傷者は5819名に上りました。

豪雨によってこれだけの死傷者が出たものとしては、南紀豪雨は顕著な事例です。

まとめ

台風や大雨、豪雪などは、時として上記のような広範囲、そして多大な人的被害をもたらします。事例を参考にして見ると、その被害がよく分かります。

そして、天候は私たちの生活に多大なる打撃を与えます。そのため、たかが天候による災害と侮るのではなく、大きな被害が出るかもしれないと意識するようにしてください。

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